素晴らしきアンティーク・ゲーム

kuroiが懐かしの名作ゲームを振り返って現実逃避してまた明日からがんばろって思うブログ。

【KING'S FIELD Ⅱ】なつかしの名作ゲームたち

 読書や映画の感想を書くブログにしようと思っていたけれど、ふいにゲームの感想を書きたくなったので書くことにします。まあブログってそんなもんじゃないの?

 

 そうはいっても、最近『にゃんこ大戦争』ぐらいしかゲームやってないのよね。

だから記憶に残っている過去の名作の中からたまに紹介することにします。

 

 今回は名作『KING'S FIELDⅡ』(以下「KF2」)

 発売は1995年の7月です。ちなみにPlayStationの発売が1994年の12月で、その2週間後に『KING'S FIELD』(以下「KF1」)が発売されてるので、半年で続編つくっちゃうって今じゃ考えられないですね……。

 

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『KING'S FIELD Ⅱ』フロムソフトウェア 当時はかなりの話題作だった。(はず)

 

 このゲームのよく聞く評価として、

①不親切②死にまくる③イカが倒せない④どこいったらええねん⑤クソゲー

たしかに「KF2」をプレイした人はもれなく、同じ感想を抱くことでしょう。そのプレイヤーを突き放したドSなゲーム性に理解を示した者のみが、このゲームをクリアする資格を持ちえるのです。わたしも最初は「その資格はない」と何度つき放されたことでしょう。

 

 昨今のゲームは進化を遂げ、迷いなく直感的にプレイできる親切さと、なめらかな操作性に守られています。町の人達はプレイヤーに協力的で、頼もしい仲間たちもたくさんいます。……しかし、現実は違います。街に出れば親切に道案内をしてくれるNPCはいません。プレイヤーの実力に見合ったステージが用意されているとは限りません。先の見えない暗闇を恐怖におびえ、苦しみに涙を流し、必死にもがいていくことでしか、生きていくことはできない。それを「KF」は教えてくれているのです。

 

 さて、ここでストーリーをあらすじ的にまとめてみます。わたしはちなみに「KF』シリーズの魅力はこの背景設定にこそあると思っています。悲劇に満ちた呪われた王家の物語がこのゲームを名作たらしめているのです。ちなみに「KF1・2・3」はヴァーダイト三部作と呼ばれ、それぞれのストーリーは密接に関係しています。

 

『KF1』あらすじ

 舞台は小国・ヴァーダイト。王様が魔導器が欲しいって言うので、選抜隊が王家の地下墓所に行くことになりました。でも誰も帰ってきません。主人公・ジャンは帰らない父(お父さんは護衛隊長で英雄的な存在)の消息を追うため、単身墓所に乗りこみます。そんで魔導器を手にいれるわけなんだけど、それがシリーズのキーアイテムであるムーンライトソードっていう聖剣なんですね。結局はお父さんも死んじゃってて、そんで黒幕は王様で魔物に変身してて、ジャンが倒しちゃう。ちなみにジャンの母親は王族の血をひいていたので、その功績もあって王様になっちゃいましたね。みたいな話。

 

『KF2』あらすじ

 厳重に保管されていたはずの聖剣が教王と呼ばれる謎の人物に奪われてしまった。国王のジャンは隣国グラナティキの王子・アレフにその奪還を託す。アレフは兵を引き連れ、教王が向かったというメラナット島へと渡る。その途中魔物に襲われて船は難破し、気づくとアレフはひとりで浜辺に横たわっていたのだった。

 メラナット島はその昔、風の王と呼ばれたハーバイン3世が城を築こうとしたが、蔓延する島の毒とたび重なる魔物の襲撃により頓挫した模様。そのためか、建物はや通路は非常にしっかりとした造りになっている。というよりもむしろ迷宮のようである。島はその後海賊が入り浸ったり、相変わらず魔物が多いせいか人はあまり住んでいない。が、鉱山があって貴重な水晶が出土するなど、命知らずの水晶掘りや商人はある程度出入りしている。

 アレフは情報を集めるうちに教王が正気ではないことを知る。教王は真の黒幕ではなく、操られているに過ぎなかった。黒幕は光の黒竜・ギーラ。大地の神がその身を二つに引き裂いてつくった一対の竜シースとギーラ。ギーラはメラナット島の奥深くに身を潜め、自分を守護させるために力を持つものを呼び寄せて支配していたのだった。

 アレフは水晶職人レオンの力を借り、闇の聖剣・ダークスレイヤーを完成させ、教王を倒し、教王を操っていた光の黒竜・ギーラを討った。そして二本の聖剣は再び封印されることとなった。

 

 とまあ、簡単にですがあらすじ的なものをつらつらと書いてみました。この世界観はぜひプレイして味わっていただきたいところなのですが、今どきPlayStationってね。

 

KFシリーズの魅力

 

先程も述べましたけれども、この「KF」の魅力は重厚な雰囲気と世界観にあるわけなのです。一見すると悪いやつを倒して、スッキリ!!みたいな話に聞こえるかもしれませんが、そうすんなりいかないのがこの作品のいいところなんですよね。

 たとえば聖剣に関して。「KF1」では光の力をもつムーンライトソードがまさに聖剣ですが、それは結局ギーラが作り出したものなんですよね。つまり、「KF2」でプレイヤーはムーンライトソードを使うことはありませんし(特殊なプレイをしない限り)、むしろ敵対する勢力の力なわけです。どちらかといえば闇の白竜・シースの生み出したダークスレイヤーこそが真の聖剣と言える。それを知ったとき、わたしは驚きました。信じていたものが、光を失った瞬間だったのです。

 次は2匹の竜について。この2匹は神の化身であるわけで、共にエルフ達の信仰の対象になっています。シースはハイエルフに、ギーラはダークエルフにそれぞれ崇められています。ややこしいのはハイエルフの信仰するシースが闇の力を持ち、ダークエルフの崇めるギーラが光の力を持つというところです。2匹の竜はともに仲が悪く、相手を滅ぼそうと企んでいます。そして、「KF2」ではギーラが自らの身を守らせるために教王を呼び寄せ、シースはギーラを滅ぼすためにアレフに闇の力を託すわけです。このタイミングではシースが「善」でギーラが「悪」ですね。ところが「KING'S FIELD3」(以下「KF3」)では人間に加担していたはずのシースが、ギーラのいない今がチャンスとばかりに世界の支配をもくろみ、ヴァーダイトを再び恐怖の世界に陥れるのです。こうなると、もう何を信じていいのかわからない。正義は時代によって移り変わるのです。

 

 ちなみに「KF3」にてシースとギーラは共に滅び、ヴァーダイトにはやっと平和が戻ります。大地の神がシースとギーラを生み出したわけですが、そのせいでヴァーダイトは不安の絶えない国になってしまいました。しかし、シースとギーラは人間同士の争いを治めるために大地の神が作り出したものなのです。争いからは破壊しか生まれない。その悲惨さを教えてくれたのでしょうか。

 

 一貫して暗いゲームですね(笑)。しかしその世界を知れば知るほど、魅力が増していく。ここでは触れなかったたくさんの登場人物など、まだまだ面白い世界が「KF」には広がっています。ちなみにわたしが今回一応シリーズの中でも「KF2」を選んだわけは、一番の名作だと思うからです。マップの複雑さ、立体的な構造、鬼畜なゲームシステム。どれをとっても一級品です。

 

 なんだか「KF2」というより、シリーズ通して振り返ってしまいましたね。まあいいです。今度はまた気が向いたら続編の「KING'S FIELD4」の魅力も紹介できたらいいなと思います。

 

それではまた。